オーバルプレートとの出会い
オーバルプレートという言葉を初めて口にしたのは、イタリアの食器メーカー、サタルニアのチボリシリーズを見た時。僕はほとんど料理をしないので、お皿を見てピンとくることはとても稀です。インテリアの展示会でもほとんどスルーしているカテゴリ。どんなに絵柄が美しくても、どんなに革命的な素材やユニークな形でも、そのアンテナは鈍感でした。きっと、深く知ればどハマりすると思うのですが。
でも、オーバルのお皿を見た時は、めっっちゃ印象的だったのを覚えています。
今まで見てきた食器とは明らかに毛色が違う、得体の知れないオーラを感じました。食器としてどう使う、どんな料理が似合うかといった見方ではなく、厚み、フォルム、ディテール、握り具合が、物としてとても魅力的に感じてしまったのを覚えています。
真っ白じゃない絶妙な白
単品で見ると白い食器なのですが、いわゆる白磁(はくじ)と呼ばれる真っ白な食器と比べてみると、ちょっとだけアイボリーな色味。使っている素材(土)の違いなのですが、真っ白じゃない色味に、品の良さや大人っぽさを感じ、妙に惹かれてしまいました。
白磁のお皿と、あのオーバルプレート
一般的には真っ白な方が高級なのですが、高級であることや希少であることだけが価値ではないと、僕は思っています。
見るたびにいいなぁと思える存在感(デザイン)と、もし壊れても同じ物を買い直せたり、家族が増えて足りなくなった時、すぐに買い足せるような安定感や価格帯が大切。手が届く贅沢品であることに魅力を感じています。
お皿は軽さも大切
ただ、実際に料理をしたり洗ったりする側の視点では、軽さが結構重要なんですよね。毎日のことですから。
実はサタルニアのお皿は結構重め。それが魅力のひとつでもあります。1枚だけなら重めだなぁと感じる程度ですが、何枚も重ねて持ち上げると、かなりのウエイトトレーニングになります。
イタリアではバール、スペインではバル。日本で言うこじゃれた居酒屋では、ラフに使えてガンガン洗うから、ちょっとぶつけただけじゃ欠けない丈夫さが最優先なのだろうと思います。
ということで、我が家ではサタルニアは却下となったのですが、あの色味とフォルムにはどうしても未練がありました。
ohを立ち上げることになった時、サタルニアのチボリが候補に。
ただ、料理を盛り付けた絵面の良さの他に、まずは仕入れの安定性に課題が…。イタリア製なのですが、かなり欠品が目立つアイテム。詳しい知人の話では、オーバルは作るのが面倒らしく、オーダーしても後回しにされることがあるとか。汗
また、実際に使うことを考えて、もう少し軽く、欲を言えばもう少し精度が高い方がいいなぁと。となると、サタルニアにこだわる理由がなくなってきます。
改めて、国内でいろいろ探してみたところ、奇跡的に理想の型が見つかりました!
サタルニアよりも軽く、安心の日本製。ちょっと薄手ですが、それでもぽってりしたフォルムはかなり良い感じ。
真っ白じゃないオーバル皿
早速サンプルを作ってみると、「oh〜」。
これはきっと喜んでいただけるだろうと確信したのです。
使っていて気持ち良いこと(ストレスがないこと)と、使っていない時にいかに美しいかが、「これがいいな」と思える最大のポイントだと思います。
ちなみに、料理が上手じゃないとオーバルプレートを活かせない なんてことはありません。料理をしない僕が作る目玉焼きでさえも、ちょっといいとこの一品に見えてしまいます。
むしろ、いつものメニューをあのオーバルプレートに盛り付けるだけで大丈夫。
シンプルですが、独特な白と、ぽってりしたフォルムが、1ランク以上美味しそうに見せてくれます! いや、これ本当です。